美しいハーモニーを作るための基礎知識と練習方法【吹奏楽部必見】
- 「音程はあっているけど美しいハーモニーにならない」
- 「上手なバンドって、なんであんなに魅力のあるサウンドがするんだろう」
- 「ハーモニー練習しているけど、練習方法あっているのかな」
この記事では、このような疑問を解決します。
音楽の三要素(リズム・メロディー・ハーモニー)の中のハーモニーについての知識と練習方法を説明しています。
吹奏楽部の方、楽器奏者の方に向けて書いていますので練習の参考にしてください。
「美しいハーモニーを作るための知識と練習方法」
【ハーモニーとは】
みなさん、ハーモニーってどういう意味か分かりますか?
ハーモニーとは、簡単に言うと2つ以上の音が重なったときの音の響きになります。
ここでは、あまり難しいことを書いても練習方法を読むまでに疲れてしまうといけないので、必要最低限で簡単に説明しますね!
詳しくは、他のサイトもしくは今後更新していく記事で勉強してくださいね。
吹奏楽の方には絶対に知っておいてほしいことがあります。
それは、平均律と純正律です。聞いたことありますか?
これも詳しく説明すると、1記事以上になってしまいます。
一言で説明するので覚えておいてくださいね!
みなさんが毎日音程を合わすためにチューナーを使っていると思います。 そのチューナーで音程が合っている状態の音を平均律といいます。
純正律は、平均律の音程を微妙に高くしたり低くしたりしたときの音を言います。
例えば、ドとソをの二つの音を平均律で同時にならすと音はうねります。
それが、純正律で鳴らすとうねらなくなり響きが増していきます。
(これを体感するには、ハーモニーディレクターで聴けますよ!詳しい人に聴かせてもらってください)
そして、吹奏楽やアンサンブルでハーモニーを作るときは、純正律で演奏することになります。
これを知らずに、ハーモニー練習しても美しいハーモニーにはならないので覚えておいてくださいね!
【基礎知識】
1度、3度、5度と聞いてわかる方は、次の章に進んでくださいね!
〇度というのは、音程間隔のことをいいます。凄く簡単ですよ。
例えば、上の楽譜のようにドレミファという音符が並んでいて、
ドだけでは1度。
ドとレの間隔は2度。
ドとミの間隔は3度、そしてレとファの間隔も3度となります。
そしたらドとファの間隔は?
ドレミファと言いながら指で数えると簡単ですね!4度です!
ここまで理解できたら次は、和音で考えます。
読めますか?下からド・ミ・ソですよね!
これが基本の和音になります。和音には、たくさん種類がありますが、この基本が理解できると大丈夫です。
その他の複雑な和音は、練習しているうちに身に付きます。
上の楽譜のドを根音、ミを3音、ソを5音とよびます。
音程間隔では〇度でしたが、和音では〇音になります。
数え方は同じですので呼び方が変わるんだということだけ理解しておいてください。
そして和音の面白いところが、上の楽譜では長調の3和音(長3和音)ですが、ドとソはそのままで、ミ(3音)だけを半音下げると短調の3和音(短3和音)になります。
この基本の長3和音と短3和音の純正調で合わす方法を説明します。
それでは、ここからが重要になるので、よく覚えておいてくださいね!
- 根音は、チューナーで針を真ん中に合わす
- 5音は、少し高め
- 3音は、少し低め
- 根音は、チューナーで針を真ん中に合わす
- 5音は、少し低め
- 3音は、少し高め
この2種類の音程のとり方だけ必ず覚えておいてくださいね!
【練習方法】
説明が長くなってしまいましたが、ここから練習方法になります!
ここでは、パート練習での練習方法で説明します。ただ、2人以上いれば楽器が違っていても練習できるのでやってください。
もし途中でわからなくなったら、先ほどの説明を読み返してみてくださいね!
1声に出して歌う
ハーモニー練習の基本です!
楽器を吹いてハーモニーを合わすときに大切なことは、音程、響き、音のスピードになります。
これを楽器でいきなり合わすのは大変なので声で合わす練習です。
練習方法はAさんがド、Bさんがソ、Cさんがミを歌います。
順番は、根音(ド)5音(ソ)3音(ミ)の順番で「アー」もしくは「マー」で伸ばして歌っていきます。
そしてAさんは根音なのでチューナーを見て正しい音程で歌います。
BさんCさんは、音がわからなければ音のなるチューナーなどで音程を覚えて歌います!
意識することは、BさんCさんは、音程を高めや、低めばかり気にせずにハモらすことです。人間の凄いところは、ハモらせることができると自然と純正律になっています!
この歌練習を、パートでのハーモニー練習の時、曲練習の時に取り入れてみよう。
やったことのないパートは、確実にハーモニーが良くなりますよ!
2B:durだけで練習
吹奏楽の楽器では、Bの音が基準になります。
まずは、基準のB:durだけパートで完璧にマスターしよう!
パートが3人の場合、B(根音)、F(5音)、D(3音)の順でロングトーンで積み重ねていきます。次の①~⑤のポイントを意識して練習しましょう!
- ①音程を合わす
- ②バランスを考える
- ③スピードをそろえる
- ④響きをそろえる
- ⑤ブレンドさせる
この5つ全て出来ると美しいハーモニーになります!
①は、まずBとFを完璧にハモらすことです。方法は、BもFも両方ともチューナーで真ん中を狙って吹いてみます。すると、うねっていることがわかると思います。
この状態では、平均律で合わしているので美しくありません。
つぎは、Fの人が少しずつ音程を高くしていってください。すると、うねりが消えて響きが急に増すポイントが出てくると思います。
この響きです!!
この5度の響きのポイントがつかめると、あとはその響きを覚えるだけ!
ただ、「合っているかわからない」「うねっているかわからない」など最初はあると思います。その時は、Dを吹く人に聴いてもらって練習しましょう!
ここまできたら、次は3音のDが入ります。
やり方はFの人と同じです。Dの人も、まずはチューナーで真ん中を狙って吹いてください。そこから、少しずつ音程を下げてポイントをつかみましょう。
②「バランスを考える」では、和音を吹くときの基本的なバランスがあります。
根音:5音:3音のバランスは4:4:2くらいが理想になります。ただ注意しなければいけないのが、3音は周りより弱く吹きますが弱すぎると良いハーモニーになりません。あとは、何度もやって美しいと思えるバランスを探してみてくださいね!
③「スピードをそろえる」では、息のスピードを意識することです。
ただ、これは少し難しいので慣れてきてからでいいです!
例えばBとFの人が同じ音量で吹いたとしましょう。しかし息のスピードはFの人のほうが速いと思います。音域が上がると息のスピードは上がりますよね。このために、Bの人はスピードを上げる必要があります。
音量だけでは、美しくならないのでスピードも意識してみましょう。
④「響きをそろえる」例えば声で歌う時も同じですが「アー」と歌う人と
「マー」と歌う人が同時に歌うと、どうなるでしょうか?
良い響きにはならないですよね。
楽器でも根音を吹いた人の響きを合わしていくことが大切です。
⑤「ブレンドさせる」ここまでこれば、最後はブレンドさせることです。
例えばカルピスの入ったコップを思い出してください。時間がたてば原液がコップの底に下がり分離してしまいますよね。
これは、イメージするしかないですが1つの音になるようにみんなで意識しましょう。
3教則本で練習
2の練習で基本のB:durのハーモニー感覚がつかめると、あとは応用です。
教則本でも、コラール集でもなんでもいいです。
ゆっくりなテンポで、吹いたり、時には声に出して歌ったりして楽しんで練習しましょう。ハモれるようになると、凄く楽しくなりパートとしての1体感が増しますよ!
4曲練習
今練習している曲で、パートとしてハーモニーの箇所(リズムの箇所)をゆっくりロングトーンで合わせていきます。
その時に大切なことがあります。パートメンバーみんなで、1つ1つのハーモニーを、どの音が根音、5音、3音というのをすべて楽譜に書いていくようにしましょう。
そして1つ1つのハーモニーを2の練習で合わせましょう!
*実は吹奏楽で全国大会に出場しているようなバンドは、みんなが徹底して1音1音ハーモニーを合わせています。私も1小節のハーモニーを合わすだけで1日の練習すべて使ったりしていました。泣
でも、それだけするから魅力のある美しいサウンドになります!
【最後に】
美しいハーモニーの作り方でしたがどうでしたか?
音楽をやっていくうえで、魅力的な音、サウンドというのは限界がないものですよね。
「なんで、こんなに美しい響きがするんだろう?」って感じたことがあると思います。
感じるということが、人間の心を豊かにし音楽家として成長することにつながります!
ぜひ、これからも人の心を魅了する音楽を目指して頑張りましょう!
最後までお読みくださりありがとうございました。
ご意見、質問などあれば気軽にお声かけくださいね!