吹奏楽初心者のためのスコアリーディング教室【音楽がさらに楽しくなります】
- 「スコアリーディングって何?」
- 「スコアを見て練習しなさいと言われるけどなぜ?」
- 「スコアの読み方を知りたいな~」
スコアリーディングという言葉を聞いたことがありますか?
直訳すると「総譜を読む」となります。
オーケストラや吹奏楽の世界では、すべてのパートの楽譜がまとめられたスコア(総譜)を見て、指揮者の方は指揮を振られています。
それなら「指揮者の人だけがスコアを見たらいいのではないか?」と思わると思いますが、実は演奏者も見て勉強する必要があります。
この記事では、このような疑問を解決していきます。
初心者の方がスコアリーディングをするきっかけになればと思い書いています。
こんにちは。ポジティブ先生です!
私は、音楽大学卒業してプロのトロンボーン奏者として活動していました。
現在は中学校で音楽の教師、また吹奏楽部の顧問をしています。
吹奏楽コンクールでは、指揮者として、演奏者として様々な賞を受賞しています。
それでは本題です!
「吹奏楽初心者のためのスコアリーディング教室」
【スコアリーディングとは】
スコアリーディングとは、「総譜を読む」ということになります。
総譜というのは、冒頭にも書いたように指揮者の人が見る楽譜で全てのパートの楽譜がまとめて書かれています。
スコアを読むというのは、ただドレミを読むだけではないんです。
例えば、吹奏楽の方ならコンクールなどで課題曲がわかりやすいかと思いますが、同じ曲でも演奏する楽団によって全然違った曲に聴こえますよね。
それは、ただ演奏している人が違うだけではなく、スコアに書かれている音の解釈が指揮者によって違うから別の曲に聴こえます。
スコアは、曲の作りはもちろんのこと、作曲者の時代背景や、思い、また人柄まで読み取ることができます。
「え!?そんな人柄まで?」
と思われたかと思いますが、たくさんのスコアを読んでいくとわかるようになってきます。
それほど、スコアリーディングは大切です。
【読み方】
それでは、スコアの大切さは理解できたかと思いますが、具体的にどのように読んだらいいのか説明していきます。
もちろん指揮者の人はスコアを見て勉強することは当たり前ですが、なぜ演奏者の人もスコアを読まなければいけないのかもわかるように説明します。
もし手元に、書いてもいいスコアがあれば蛍光ペンとスコアを用意してください。どんな曲でもいいです。なければ、また学校などでコピーしてもらってくださいね。
1色分け
吹奏楽のスコアでは、上から木管楽器、金管楽器、打楽器と並んでいますよね。
そして、曲の基本としてメロディーパート・ハーモニーパート・リズムパートに分かれています。
それぞれパートの色を決めてください。
(メロディー・・・ピンク ハーモニー・・・青など)
まず、メロディーパートだけ曲の最初から、楽譜に色を塗ってみてください。
(蛍光ペンなら直接音符をなぞるといいです)
その時に、例えば最初はクラリネット・トランペットがメロディーでも、途中でサックスなどにメロディー変わっていくと思います。それを全て同じ色で塗りましょう。
(メロディーのリズムで音が違うハモリパートも塗ってくださいね)
次は、ハーモニーパートです。ハーモニーとは和音のことを言います。
ただ、和音を奏でながらリズムを刻んでいる場合もあります。この時は、基本リズムパートと両方に属することになるので5選の上半分をハーモニーパートの色で塗り、下半分をリズムパートの色で塗ってください。
最後に、リズムパートです。先ほどまでの方法で塗っていきましょう。ただ、打楽器の鍵盤楽器などはリズムパートではないときもあるので注意してくださいね。
これで、基本のパート分けは終わりです。最初からスコアを見てみましょう。
今まで自分のパートしか見ていなかった人は、様々なことに気づかれたかと思います。
例えば、「自分と同じ音やリズムの人が他のパートにいた」など分かったかと思います。そして、どのパートも陸上競技のリレーのようにバトンがわたされていることも見えてきたと思います。
2和音構成
これは、先ほどのハーモニーパートを見てください。
和音は、マーチなどでは2拍もしくは4拍で変わっています。
(曲や場面によって違うので楽譜をじっくり見てくださいね)
そして、ただ見るだけでは意味がありません。特にパート練習などで自分のパートがハーモニーの役割をしているときは、各和音をすべて何の調か調べていきます。
なれるまでは、時間がかかりますが、これを理解してパート練習をすると格段に良いサウンドになっていきます。やり方は、この記事に書いているので参考にしてください。
3強弱
強弱の使われ方です。強弱記号(フォルテやピアノ)と、クレシェンドなどを蛍光ペンで塗るかペンで囲ってみましょう。
これは蛍光ペンを使うと見にくくなる場合もあるので好みでいいです。目で見てわかれば大丈夫です。
さて、この時に作曲者や曲によって使われ方が違います。
例えば、同じ小節でも強弱記号がパートによって違っていたり、あるパートはクレシェンドがついているのに、あるパートではデクレシェンドになっているときがあります。
そのようなパターンを見つけたときに、なぜそのような書き方いるのか考えてみてください。
これが、スコアを読むときの解釈になってきます。
最初は、理解できなくても「なぜかな?」と考えるだけで少しずつわかってきます。
もし本当の答えを知りたければ、直接作曲者に聴かなければわかりません。
ただ、自由に解釈して演奏できるところが音楽の面白いところでもあります。
4山場
最初からスコアを読んでいくと曲には必ず山場があります。
また山は、大きい山から小さい山まであります。そして、それぞれの山でもどの音が頂上なのか考えてみましょう。
これがわかることによって、どの音に向かって演奏していけばいいのか、また自分のパートはどういう役割をしているのかが理解できるようになります。
5注意するべきところ
これは、合奏などで指揮者に注意されたところを自分のパート以外もスコアに書いていきましょう。
他のパートの注意されるところも書いていくことにより、例えば「このリズムが出てきたら速くなりやすい」「この音程は高くなりやすいんだ」などがわかってくるようになります。
良く合奏などで他のパートだけ吹いているとき暇になりますよね。
実は、この時間が凄く勉強時間になりますよ。
6指揮を振ってみる
一度、音楽をかけてスコアを見ながら指揮を振ってみましょう。
指揮を振ると、すべてのパートを耳で聴き、目で見て理解できるようになります。
今まで気づかなかったことが、たくさんわかるようになります。
だまされたと思ってやってみましょう!
【最後に】
スコアリーディングの重要性が理解できたでしょうか。
スコアが読めるようになると音楽の奥深さがわかってきて、凄く楽しくなります。
私は高校生の時に、オーケストラで好きな曲の「ポケットスコア」を買ってCDを聴きながら意味も分からずスコアを見ていました。
(オーケストラ ポケットスコアとググると出てきます)
繰り返し何度も聴いていくうちにビックリするぐらい様々なことに気づくことができスコアを見ることが大好きになりました。
みなさんも、スコアを読んで音楽性をさらに深めていき音楽を楽しみましょう!